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2024.09.05

釣り講座

湧昇流を攻略するには潜る潮に仕掛けを乗せる


グレは活性が高いのに、それ以外の条件が悪くて釣れないときがある。 だが松田は、グレに食欲がある限り、絶対に食わせることはできると豪語する。言葉だけでなく、松田は実際に釣ってきてもいる。ここでは悪条件を克服するテクニックを紹介する。

「昇る潮があればその近くに必ず潜る潮もある」

〇速い潮が上に向かうのが湧昇流
松田は長崎県の平戸島を訪れた。目的は平戸島南端に近い宮ノ浦の磯でチヌを釣ることにあった。 午前中は港に近いところで4尾のチヌを釣り、午後からは平戸島の南東部にある三のハエのハナレに移動する。ここは足場が低いため、満潮前後は波をかぶることから、潮がある程度引いてからでないと釣りが出来ない。やがて下げ潮が本格的に流れ始めた。この一帯は、上げ潮は緩いものの、下げ潮がガンガン通す。松田の前面も潮が走り、湧昇流が発生した。これは、速い潮が障害物に当たって上に向かう流れで、そのため海面は2~3㎝から5㎝は盛り上がる。カガミ、ボウズと呼ぶ地域もある。 魚影が濃いところではその中にいる魚がよく見える為、釣り人はやっきになってそれを釣ろうとする。 しかし、仕掛けは思うところに行かず、ましてや、撒き餌も見える魚の口元には届かない。 下から上に向かって流れているのだから、そこへ上から仕掛けを落とそうとしても無理な話だ。 軽くはねのけられ、とんでもない方向へ追いやられる。さらに湧昇流は生まれたり、消えたりする。そのたびに現れる位置は変わる。 松田がどうやって、その厄介な湧昇流を攻略したか。


〇潜る潮に乗せるためビシを追加する
当初松田は本流に引かれる潮を釣ろうとした。しかし、湧昇流に巻き込まれると仕掛けを押し上げられ、まるで安定しない。そこで湧昇流の手前の狭い範囲を集中して攻める、が、ウキ下が浅いと全く魚の反応が無く、ウキ下を深くすると、今度はエサ取りが邪魔をする。 その時点で湧昇流に本気で取り組む気になったようだ。引かれる潮に仕掛けを投じる。それから撒き餌を入れ、道糸を張って、出来るだけ右方向へ流そうとしている。ウキの浮力以上のビシを使っているが、湧昇流の影響を受けて仕掛けが舞い上がっているから、ウキは完全には沈まない。沈み加減で流れてゆく。 松田は仕掛けを巻き取り、ビシの位置を修正してまた投入する。今度はウキが沈んでいった。潜る流れに乗ったようだ。竿が曲がる。そしてグレも当たった。 本流が少しずつ緩み、それに伴って湧昇流の勢いが弱くなる。松田はそれに従って、ウキ下を深くする。上潮は速いものの底潮は遅いと読み、仕掛けを張って刺し餌にウキを引っ張らせようとしたのだ。


〇カギはビシにある
上に向かう流れがあれば、その近くには必ず潜る潮がある。刺し餌をその潜る流れに乗せてウキを引っ張らせるのが、基本的な湧昇流攻略法になる。 といっても、、周囲の流れは非常に複雑で、ウキが浮かんでいる表層と、刺し餌がある中~底層とは全く異なる方向で流れている事が多い。 したがって、刺し餌にウキを引っ張らせない限り、この釣り方はできない。
カギは、ビシにある。 刺し餌であるオキアミに水圧と流れの抵抗を受けさせ、仕掛け全体を引っ張らせるには、ビシの位置が重要である。 湧昇流という条件ではそれを強制的にやる必要があるから、通常以上にビシを大きくしなければならない。BB負荷のウキに3B、4Bを打つことは珍しくなく、三段打ち、さらには四段打ちすることもある。 この時、撒き餌は早く言えばどこでもいい。湧昇流と潜る潮の間を行ったり来たりするから、コントロールできないと言い換えてもいいだろう。 仕掛けは、本流に引かれる潮に投入する。刺し餌をウキの後方に落として速く沈め、出来るだけ速く刺し餌がウキを引っ張る態勢に持ってゆく。刺し餌が潜る流れに乗るとウキは沈んでゆく。 ウキが沈まなければ、潜る流れに乗り損なったと判断し、最初からやり直す。 湧昇流は消えたり現れたりするし、位置も次々に変わるから、一度は潜る流れに乗ったからと言って安心はできない。 湧昇流の周囲の潜る流れに乗り、本流の際まで達すると、グレが食ってくる。アタリは穂先に出る。 常に態勢を整えておき、瞬時に対応できるようにしておかなくてはならない。

ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より一部引用ー

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