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2024.08.25

釣り・グレ

キツが出たら勝ちじゃ!とまで言わせる自信とは


「キツに対しては刺し餌、鈎、糸、ビシとも大きくする」


〇キツはグレより目がよくて賢い
キツと尾長は、口太とオセンの関係に似ている。
尾長の良型がいるところには、ほとんどキツもいる。
だから、松田は
「キツが出てきたら、今日は勝ちじゃと思うもの。
30分も40分もかけて出てくるときはアカンけどな。
ほなけん、キツがおらんと寂しいわ」
とまで言う。
逆に、キツがいれば尾長の良型もいると思って間違いない、、、 とは言えないのが自然の摂理。水温が高くてキツだらけの状態では、その近くに尾長がいないことが往々にしてある。
「男女群島で悩んだわ。盛り上がるほどキツがおってなぁ」
松田にして尾長を食わせられなかったのだから、尾長はいなかったと判断してもいいだろう。 習性は、似ているといえば似ているし、似ていないといえば似ていない。
従来はキツの方が適水温はやや高かったのだが、温暖化による影響か、尾長の適水温も高くなっている。したがって、尾長とキツの活性が高い時期はモロに重なっている。

※キツ=イスズミ科イスズミ
同じ大きさなら尾長のほうが引きは強く、比較するとキツは取り込みやすいといえる。根に突っ込むこともない。独特の臭みがあるため多くの釣り人に嫌われるが、アイゴ同様、地域によって珍重するところもある。

ただ、キツの方が釣りにくい。松田はそう考えている。
同じ状態ならグレの方がずっと釣りやすいと。
グレに比べると、キツは口が小さく、硬い。糸が太いと食わない。
鈎が大きくても、エサが大きくても食わない。ビシが大きくてもいけない
「尾長よりはるかに目がようて、賢いんだろうなぁ」
松田が言うように、異常に対する感覚が鋭いから、撒き餌はバンバン食っても、刺し餌は食わない。だから、松田は、尾長とキツが同居しているところで釣りをするとき、最初はウキが入っても合わせない
竿に持ち込んでくるまで待つ。
ウキの抵抗を感じると、キツなら離す可能性が高いからだ(必ず離すというわけではない)。 完全に鈎掛かりしてない状態で合わせると、バラしたとき釣り場が痛む
松田はそれを嫌う。
それが尾長なら、最初は荒れてないから竿まで乗ってくる
キツの方が釣りにくい例として、数が少なく、活性が低い状態を想定すれば分かりやすいかもしれない。そんな場合にキツを釣ろうと思えば、3号ハリスでは非常に難しい。鈎を小さくして、ハリスも1号に落とさないと、刺し餌は食ってくれない。
その点、グレの方がずっと釣りやすい。
また、水温が下がって活性が落ちた時、毎日エサが入ってスレているところも釣りにくい。反面、長い間釣り人が上がってなく、エサが入っていないところなら釣りやすいと言える。 もちろん、活性が高くてバチャバチャしているときは例外と思ってほしい。

〇ボイルはまずいから下まで届く
現在、松田自身がこの方法でキツをかわすことは少ない。
したがって、松田がこうやってグレを仕留めたというパターンでは、まず紹介されることはないだろう。
しかし、かつて松田が色々な事をやった結果の蓄積として、キツ対策に効果のあることは、ハッキリしている。
松田の後ろから追う立場にある釣り人としては、知識として知っておいて損はないだろう。 やり方としては単純だ。
生のオキアミだけではなく、ボイルも混ぜる。それだけでいい。
比率は、生のオキアミ8割に対して、ボイルを2割入れる。
ボイル10割にしても、生ばかりにしても効き目はない
ボイルとは、オキアミに蒸気を当てて、加熱したもの。
当然、生の方が軟らかく、いい匂いがするし、食っても旨い(たぶん)。
魚はそちらのほうを好むから早く、たくさん集まる。キツもその例に洩れない。
そこで、生とボイルを混ぜて撒いてみよう。
どうなるかというと、上層にいるキツは旨い生ばかりを拾う。
ボイルは下に沈むから、尾長の口に届く。
ただし、これは最初の1時間ほどしか通用しない
それを過ぎると、キツもボイルを食べるようになる。

〇ビシ使うて速く沈めたらエエんや
前述したように、キツは見かけと違って(?)、はるかに鋭敏な感覚を持っている。
刺し餌は小さくないと食おうとしない。鈎も小さくないといけない。太い糸も嫌がる。 また大きいビシで速く沈んでゆく刺し餌も追わない。

キツを釣りたくなければ、すべてこれと反対の事をやればいい。
大きいオキアミを大きい鈎に刺し、太いハリスに大きいビシを打つ。
ハリスの真ん中にビシを打っていてキツが食えば、少しずつ下げてゆく。
キツの数が多ければ多いほど、ビシを鈎に近づける
そんな仕掛けでも、キツが多ければ十分グレは釣れる
キツが湧くと、その下には往々にしてグレが集まっている。
単に、キツの姿に隠れて見えないだけであって、湧いたときはキツが1ヒロ程度まで浮いており、グレはそのすぐ下、1ヒロ半のところにいる。
しかし、キツが多いから餌は落ちてこない。必然的にグレの活性が高くなっている。 キツが邪魔してビシも見えない。
1ヒロ半のウキ下ならビシを使う事は無いが、キツがいる以上、使わざるを得ない。
このように見てくると、かわすとはいえ、オセンやアジとは意味が違っていることに気づくだろう。キツの群れの中でグレを釣るのだから。
しかし、キツの習性を利用していることに変わりはない。



ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より引用ー

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