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2024.08.15

釣り・グレ

撒き餌の行方を知るには潮を読まなければならない


「表層ではなく、グレのタナで流れている潮を読む」

〇撒いた撒き餌はどうにもできない
これまで、刺し餌と撒き餌を合わせることの重要さを綴ってきた。
そして、そのためにはどうすればいいかという基本を説明してきた。
そこで、少し方向を変えてみよう。
海に投げられた撒き餌は、人間の力ではどうしようもできないことを改めて知ってほしい。 沈むのを止めることも、浮かせることも流れる速度をコントロールすることもできない。 流れる方向を変えることも不可能だ。
多分99%の方がそんなことは分かりきっている、当たり前だと思うだろう。
そして残った1%が、あえてそんなことを言うのは、なにか裏があるに違いないとヘソの曲がった受け取り方をする。
裏は、ない。
ただ、人間の力ではどうしようもないから、人間が撒き餌に合わせて刺し餌を流すしか方法が無いことを、もう一度よく考えてほしいのだ。
撒き餌を投入する。
人間がコントロールできるのはそこまでで、あとはオキアミの比重と
潮の流れに任せるしかない。
そして、この潮という奴が実に厄介な代物なのだ。

〇地形から潮の動きを読む
潮という言葉は、我々釣り人にとって非常になじみ深い。
それだけに、色々な意味がある。
大潮・小潮があるし、時合もある。
海水をこう呼ぶこともあるし、流れを指すこともある。
釣れなかった時の言い訳にされる場合もある。
潮が悪かったと、、。 ここでは単純に、流れを意味するものと解釈してもらおう。

さて、図①は、水道に面した釣り場を示している。
このような地形では、単に水道を通り過ぎる潮が生じる。
上げ下げに応じて、潮は左流れから右流れに転じ、再び左流れに変わることが多い。 ただし、真っ直ぐには通り抜けない。
必ずA、またはBに偏る。
しかも、時間が過ぎるとともに角度は少しずつ変わってゆく。
AになるかBになるかは、もっと広い地形を見ないと断定できない。

それに比べて、図②のように
小さな磯が一つだけポツンと沖にあれば、潮は単純な動きしか見せない。
どの方向から流れてくるにしろ、ただ通り過ぎるだけでしかない。
磯際で若干の不規則な流れが生じるものの、全体から見ればいかにも小さい。
このように地形を見れば、潮はどんな流れ方をするかがある程度見当はつく。

〇海の中では複雑に流れている
実際の釣り場は条件がもっと入り混じっているから、たった今紹介した2つのパターンには収まりきれない。
が、撒き餌を投入して、仕掛けを流してみれば、釣り人ならどの方向に流れているかは分かる。 ただし、表面的な流れでしかない。
グレの好釣場ほど海底は変化に富んでいるし、障害物があれば流れは確実に変わる。三方をコンクリートで固めた水路なら全体が同じ流れ方をするだろうが、そんなところはグレが少ない。いないといってもいいだろう。
さらに風の影響も大きい。そこで、海中の流れを読む必要が生じてくる。
撒き餌がどこへ流れているかを知るために、、。


図③は海中の流れを示している。
表層とは大幅に異なっていることに気づくだろう。
模式図とはいえ、全くありえない状況ではない。
表面を見る限り、Cの流れにDが合流しているように思える。ところが。
「Cの潮が軽く、Dは重かったとせえや。そしたらな、Dが潜ってしまうんや」
松田の言葉の中には、しばしば、この重い潮と軽い潮が出てくる。
比重はともかく、重い潮とは下に潜ろうとする流れ、軽い潮は浮こうとする流れと考えればいいだろう。 図③は平面でしかとらえてないから、シモリに当たった流れは左右に分かれると同時に、上にも向かい、軽い潮になることが表現できてない。
シモリを通り越すと下に潜るから、重い潮になることも同様だ。
このように、障害物が多い海底に近くなるほど、潮は複雑な動きをする。
松田ウキはそれを知る機能も兼ねているのだが、それは詳しく後述しよう。
一つ付け加えておく。
Cの流れは表層だけでしかなく、底近はDの方が優勢だとすると、ならば仕掛けは強制的にDの流れに乗せなければならないー と短絡的に考えてはいけない。
グレの活性が高く、Cの層にまで浮上していれば、あえてDの潮にこだわる必要はない。 Cが流れているタナまでは浮かないという見極めがついたところで、初めてDの潮に乗せなければならないのだ。
ともあれ、撒き餌はどの流れに乗っているかを知り、それに刺し餌を合わせるのがいかに難しいかがよく理解できたと思う。

ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より引用ー

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