ブログ

2024.08.04

釣り・ウキ

素直なウキ


前回ブログにあげました『ウキは仕掛けのパイロット』
とても中途半端に終わらせましたので今回はこの続きを。
ウキは仕掛けの案内人。しかしハリスの方向がわかるだけではない。
大事なのはハリスの角度がわかること。


Question(以下Q)「角度?」
会長(以下、太文字)そうや。水面に対するウキの傾き加減でハリスの角度もわかるんよ。
Q「うーん。ハリスの方向とか角度『グレに食わす』ということと
どんな関連があるんです?」
大ありやで。
Q「???」
わからんようやな。よっしゃ。それなら説明しようか。
話がわかりやすいのは、流れのあるところで釣ってるのを例にとるのが一番やろう。 まず仕掛けの状態やな。形としては刺し餌が先、ウキが後ろという格好で
ハリスを斜めに 張って流すのが、グレに食わすのには一番良い状態なんや。
これはグレ釣りのセオリーでもあるわな。
Q「それはよく聞きますね。もちろん松田さんからも教えてもらったことですけど。」 釣り師は皆、つとめてそのようにしようとしてやってる、というけど。
そんなら聞くけど、ハリスが斜めになって流れてるのをどないして確認してるんかな? Q「そりゃぁ、ウキを止めてとか、ブレーキをかけながら流すから、当然斜めなんと違いますか?」
また「当然か」(笑) いうなら、感覚的にとらえてるだけやろう?
海中のハリスが見えるわけがないからな。
もちろんハリスの角度についてもや。
そしたら、ハリスの状態を視覚でとらえることはできんのやけん
「ハリスはウキより先に流れてるだろう」ということが、
漠然とはわかっても その角度まではわからんのと違う?
Q「その通りです。でも、角度まで必要ですか?」
そらあ、攻めの釣りでは絶対に角度を知ることが必要や。
だいいち、グレのタナとの関係があるわな。
次に撒き餌の層との関係を考える上からも必要なんよ。
Q「なるほど」
多分こうなってるやろう、というカンだけでは不十分なんや。
ひと流しごとに必ず食わしてやろうと考えるんやったら、
刺し餌を含めたハリスの方向と角度が 目でとらえられる状態にしとかんと
食わすことはできん。
それを知るにはウキにその役割をさせるんが一番理にかなってるんと違うかな。
Q「うーん。。よくわかりました。アタリの表現よりも先に『食わせの姿勢の表現』をウキに背負わせている理由が納得できましたわ。」

Q「ところでこのウキは松田さんの自作でしょ?」
そうや。自分で作ってる。
Q「性能という点を考えて作るには、どんなところに注意すればよいのですかねぇ。」 そうやなぁ。ウキは素直でないといかん、ちゅうことやろう。
Q「またですか(笑)素直なウキ、と教えられてもわからんですよ。」
あっそうか。まあ辛抱してや。
わしは考えた末の結論を先に言うんでな。
性能を考えるんやったら、ハリスの方向、角度を知る上でも、
ブレのない、ハリスに素直な点やろう。
Q「ブレがないというのはわかりますけどねぇ。」
本当にわかるか?
Q「そう突っ込まれるとちょっと(笑)」
ブレというんは、ちょっとニュアンスが違うかもしれんけど、
まぁ、君が考えてるようなことやな。
例えば、ウキの良し悪しを判断する尺度として、
釣り人がよく言うてるウキ沈めの実験というのがあるやろう?
Q「聞きますねぇ。ウキを水中に浮かべてトップを押して沈めてみる、
という実験ですわ。」
そうや。ウキがすんなりスーッと沈むか、首を振るとか、
それが浮いてくるときもブレはないかとかな。
Q「私もウキのブレというのをそのように考えていたんですわ。」
あー、そうか。それやったら、なんでブレの実験をするんか聞いたことはあるか?
Q「直接聞いてみた、ということはありません。
ただ、釣り人がブレないウキを作る理由として耳にしたことは、
引き込みの際に、頭を振って沈んでいくとそれだけ抵抗がかかるからとか、
流れている最中に頭を振るようなウキでは、グレの微妙なアタリがとれない、
という話でしたね」
そやからブレのないウキを作る、ということやなぁ。
Q「そう思います。」
そこらがちょっとわしとは違うんよな。
Q「あーそれで松田さんは先ほど『ちょっとニュアンスが、』と言っていたんですね? じゃあ、松田さんの理由というのは?」

まぁ、ほとんどおんなじなんや。
ただ、わしはあくまでもハリスや仕掛けとのからみは考えてるんよ。
皆さんがやってる実験は静止した真水でやろう?
静水での実験と現場、ウキ単独の実験と仕掛けも連動させた場合では、
違った結果が出ることもあるんでな。
静水での実験ではブレのなかったウキが、波のある現場ではブレることもある。
ウキ単独ではブレが出んのに、実際に仕掛けの中に入れてみるとブレることもあるしな。
Q「ほほう。じゃあブレがないといえるウキというのは、実際の釣り場でやってみて、波の影響も受けない状態のもののことですね?」
うん。ただ、その場合でも誤解してもらったらあかんことがある。
Q「どんなことです?」
波の動きを受けてもブレないというんは、波のある中でもジーっと静止できるウキというのとは違うんでな。波動に合うた揺れ方をするのは、どんなウキでも仕方がないんよ。 わしが波の影響を受けてブレるウキというんは、波を受けると頭を振るとか、足が振り子のように揺れるようなことを指しとるんや。
Q「なるほど。そういうブレのあるウキは具合が悪いわけですね」
うん、悪いな。
Q「やはり、アタリとかの関係で?」
いや違う。やっぱり食わせとの関係やな。
Q「といいますと?」
波でしょっちゅうブレてるようでは、ハリスの方向と角度は読めんからよ。
Q「じゃあ、頭を振ったり、足が振り子のようにならないように、
ウキの浮力ギリギリの重いオモリをウキの足に打ち込んでみたらどうですか?」
確かに一理ある、と思うやろ。けどあかん。
ウキを自作するほとんどの釣り人がそうしてるんと違うかな?
それやったら、足のオモリがウキ全体を引っ張ってるけん、ブレは少ないかもしれん。そやけど素直にはなれんやろう。
Q「あっそうか。もう一つ、素直が加わるんでしたね。どういうことですか?」

右向け右のときは右を向いとるし、
左を向けいうたらそのままになっとれるようなウキよ。
Q「昔の軍隊のようですねぇ。ますますわけがわからなくなりましたわ。」
そらまぁ冗談やけどな。 ハリスの方向と角度をウキで見る、というたやろう?
Q「はい、さっき教えてもらいましたよ」
ハリスの方向とか角度をウキが表現してるのは、刺し餌、ハリス、ウキ、道糸が一本の直線上にあるということや。
刺し餌がオモリを引っ張り、それがハリスを引っ張る。
ハリスはウキを引っ張って、それが道糸まで伝わる状態やね。
これが理想的な形なんや。 ハリスが斜めになってウキを引っ張ってるんやから、
当然ウキもその方向に傾いてなならんことになるわな。
いうなら、ウキがハリスや刺し餌に引っ張られて斜めに傾いたら、
そのままの状態になってるのが一番理想的なんや。
波の影響を受けても、波動方向と同調した動き方をするだけで、波によって頭や足を振ったりせんのがええわな。
ハリスに引っ張られてその方向を向いたら、素直にその状態を続けてるということや。 Q「あー、そうか、なるほど。そのことを言ってるんですか」
そうや。さっき君は、ブレを少なくする為にウキの足に
浮力ギリギリのオモリを打ち込めばどうか、というとったわな。
ブレを少なくするにはそれもええやろう。
そやけど、そのウキは足をオモリが引っ張ってるから、
垂直状態で浮こうとする力が常に働くはずや。
頭を斜め横から押さえて斜めの状態にしても、足先が重いんで元の垂直状態に戻ろうとする復元力が強く働く。 その点をよく考えてみてほしいなぁ。
Q「すると、実際にはハリスは斜めになって食わす状態を作っていても、
それを足重のウキでは表現してくれないと、、」
そうや。そんなウキやと、ハリスの方向と角度を読み取ることはできん、とうことや。 もっと具体的に言うなら、食わすという攻めの釣りが、そのウキではできんということやな。


松田ウキに搭載されているV字鉛の構造はこの素直な状態を維持できる(傾いたままの状態)これは松田ウキにしかない設計構造です。
今回の会長の言葉も頭に入れたうえで一度是非松田ウキを使用してみてください。
よくわかるかと思います。

ー松田稔のグレ・チヌ攻撃的戦術 1994年出版より引用ー

有限会社エムアンドエム建物

釣りライフをより素晴らしく

有限会社エムアンドエム

代表 小川 美香

本社

徳島県鳴門市撫養町黒崎字松島45-41

支店

徳島県板野郡北島町新喜来字二分100-4
TEL:088-697-2244
​​​​​​​
FAX:088-697-2244